今後ライドシェアは広がるのか
ライドシェアとは
最近、ライドシェア(またはライドシェアリング)の言葉を耳にする機会が多くなった。ライドシェアとは乗用車の相乗りの需要をマッチングさせるソーシャルサービスの総称。ライドシェアでは、自動車の所有者・運転者と、移動手段として自動車の乗りたいユーザーを結びつけるソーシャルプラットフォームが提供される。ライドシェアで真っ先に名前が挙がるのはUber(ウーバー)だろう。Airbnb(エアビーアンドビー)は世界最大の宿泊業者だと言えるが、自社で宿泊施設を所有しているわけでもなければ運用すらしていない。Uberについても世界最大のタクシー会社だが、自社車両を保有しているわけでもなければ、運転手を雇用しているわけでもない。両者とも「物理的な資産をほとんど持たない」シェリングエコノミー・サービスの特徴を持ち、その画期的なビジネス形態により、高みに到達した。そして、シェリングエコノミーの根幹にあるのは(P2P)ピア・ツー・ピアの取引。eBay(イーベイ)わかりやすい事例で、メルカリがそれに該当する。プラットフォームの運営者は「場」を提供することで一定の収益を得る。ライドシェアはそれが前提だ。
配車型ライドシェア
配車型のライドシェアは、一般的にタクシーのように近くを走っている車が自分を迎えに来てくれるサービス。アプリ内で行きたい場所を入力し、車が来たら乗るだけ。決済もアプリ内で完了できる。タクシーのように道順を伝える必要もないため、言葉が通じない海外の方の移動も格段に便利になる。
カープール型ライドシェア
相乗り型のライドシェアとも言える。もともとドライバーに移動の目的地があり、同じ方向に向かう人と相乗りすることを表す。費用は、移動にかかったガソリン代や高速代などの交通費を車に乗っている人で割り勘する。ヨーロッパではBlaBlaCar(ブラブラカー)というライドシェアサービスが有名。ちなみにBlaBlaというのは(ペチャクチャしゃべる)という意味。UberやLyftと同じライドシェアでも、割り勘しているためドライバーが利益を得られない仕組みなのだ。
ライドシェアサービスの市場動向
アメリカのライドシェアサービス全体の売上は順調は右肩上がりを示しているが、市場の飽和に近づきつつあるのか、今後の成長率は鈍化するようにも見える。それでも2022年には300億ドルの規模に達する。成長率曲線はこれに反比例するように40%を超える伸長を見せた2017年に対し、2022年では対前年比10%を割り込む様相を見せている。利用率は2017年度に人口の半分が利用するようになり、2022年ではそれが2/3まで増加する見込み。高齢者がスマートフォンを保有していないことを考えるとこれが最大値となるだろう。それでは、国内におけるライドシェアは今後どのような道をたどるのか。有償ライドシェアは道路運送法で規制されていることでアメリカのように広がらないのだろうか。ウーバーは日本のライドシェアを断念したのか。日本国内でもMaaSやシェアリングエコノミーの概念が浸透し、最終的にライドシェアは解禁される方向に向かっていく可能性が極めて高い。時代は変わる。変化に対応できる社会づくりを進めてこそ、新たな社会がつくられるのではないだろうか。
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