シンプルな戦略

戦略を立てれる人になれ

本当の戦略はシンプルなものだ。そしてそれを立てれる人はわずかだ。そして戦略っぽくて戦略ではないものがあふれている。「君の企画書は何を言いたいのか分からない」と上長から突き返された場合、せっかく長い時間をかけて戦略を立てたのにと思うかもしれない。しかし、優れた戦略は立てた時間と比例しない。だらだら時間をかける必要はない。誰にでもわかるシンプルな戦略を素早く組み立てるのだ。これができなければプロ経営者でもコンサルタントでも事業責任者でもない。戦略の組み立てに不安があるなら上長や経営者をその作業に巻き込んでしまえばいい。戦略を立てれる人になれば、あなたのビジネスパーソンとしての将来は有望だ。

その戦略は一言で言えるか

まずはWHATだ。この戦略はいったい何か。戦略目的や達成したい目標が明快かつ具体的で、かつ、目指す方向性が一言で言える戦略こそが最上の戦略だ。基本的な内容が戦略に組み込まれてはじめて一言で言える戦略になる。おそらく戦国時代の軍師もこれをクリアしていたに違いない。

その戦略はなぜよいのか

次にWHY。なぜこの戦略で目的が達成できるのか。なぜこの戦略が達成が他のものより有効なのか。「このような目的のためにA戦略でいく。なぜA戦略でなければならいないかは次の3つの理由による」と明確に答えられる必要がある。

3つの観点を満たしているか

3大要件を満たしているかは次の質問に答えられるかで分かる。
Q1.ユーザーにとって、うれしいことか
Q2.それは他の会社と何が違うのか
Q3.自社は儲かるのか

事業はユーザーのニーズを満たす何らかの価値を提供してその対価を得る活動だと言える。したがって、自社のどのような優れた技術やアイデアや能力を駆使したプロダクトやサービスを市場に打ち出しても、あるには競合に勝つために必要なことを行ったとしても、それをユーザーが評価しなければ、事業は失敗だ。
次に、そのプロダクトやサービスがユーザーに評価されたとしても、既に競合が提供しているものと同じであれば、ユーザーにとってユニークな価値とはならない。戦略の本当の価値は自社独自の価値を生み出すこと。
最後に自社に経済的な価値をもたらさなければ事業は継続できない。

3つの要素を満たしているか

以下の要素が満たされていることが戦略だ。

目的

この戦略は何のためのものか。何を狙ってやろうとしているのか。この戦略の規模は全社レベル、事業レベル、機能レベルのどれにあたるか。

方向性

目的を山頂だとするとそれまでの道すじ。複数ある道すじの中からどの道を選び、どのような方法を選ぶのか。目的達成までのイメージを描き出す。

打ち手

今度は山頂までに必要な具体的な行動だ。

戦略立案ステップ

ここからは戦略を組み立てる段階的な作業を解説する。

戦略の目的設定

事業が開始した後に目的の認識が組織内でズレないように言語化しておく。充分にチャレンジングで具体的になっているか確認しておく。

境界条件の明確化

領域は価値観、時間軸、事業モデル、事業領域、経営資源、組織体制に分解され、そのどこからどこについての戦略なのかを明確にしておく。網羅的に洗い出した上で境界条件を最小にしておく。

環境分析

ターゲットユーザーは誰なのか、その行動やニーズはどのようなものなのかを明確にしておく。性別、年齢、所得水準、ライフスタイル、価値観、指向性などの基準を設定し、セグメンテーションする。そしてユーザーのニーズは経済性、利便性、ソリューション、品揃え、人間関係、楽しさなどの中から設定する。分析で終わらずに独自の洞察から解を導き出す。現状から将来を予測することがこれに含まれる。最新のファクトに基づき、体系的に行う。市場については市場全体の収益性、市場シェアの変化率、上位プレーヤーのシェアの集中度を確認する。競合については事業規模、機能、能力、コスト、経済資源、組織、事業プロセスなどを自社と比較する。競合はどこが優れていて、自社の強みは何かを分析する。自社の事業を正しく定義してこそ3Cの価値がある。

課題の構造化

山頂までにクリアしなければいけないことはすべて課題だ。これを洗い出した上で構造化する。星ではなく星座を見つけるようなものだ。ひとつひとつの星をつなげ、構造を見つけ出す。構造化というのはロジックツリーをつくり、イシューアナリシスをすることと同義だ。これで課題は一気に明確に具体的になる。そしてその課題がそのまま仮説となる。その後の方向性は仮説検証の計画とも言える。

方向性の選択

明確になった課題をどのように解決するか。その方向性と具体的な行動がセットで設定される。ここでは比較検討するために複数の方向性が必要だ。

戦略のまとめ

戦略目的、境界条件、経営環境分析、3C分析、課題、方向性、打ち手(タイミング、推進責任)、計画(目標、KPI、必要資源)がまとまり、最初の3つの質問に答えられているか再確認して、ひとつの戦略として完成する。

戦略立案に必要なスキル

分析力

分析とは分解したものを解析すること。細かく分解することから始まる。

洞察力

細かく分けたものが何であるか観察する。

論理力

論理構造が必要な時はロジックツリーとイシューアナリシスに立ち返る。

戦略立案に必要なマインド

主体的であること

自分がどうしたいかから戦略は始まる。誰かに言われたから戦略を考えるということはない。

考え抜くこと

粘り強く考え続け、深く深く掘り下げる。

ぶれないこと

目的などの基本的な思考はぶれるようなものであってはならないと同時にぶらさないように意識する。

決めること

意図的に自分でやること、やらないことを決断する。経営トップの承認は必要になるだろうが、その前に自分の決断があるはずだ。

高みを望むこと

覚悟すること

誰がいつまでに、どのように成果を出すのか。それを決めた上で達成までやり遂げる覚悟をすること。

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青山 武史

略歴

1977年生まれ。1998年にJ-Groupホールディングスに入社以来、経営企画部としてマザーズ上場に貢献後、観光業界にて大規模な事業推進を経験。2012年よりJBR部長に就任し、マーケティング部門を統括。生活関連事業を中心に事業再生、戦略立案、M&A、ビジネスデューデリジェンス、新規事業開発、組織変革等の業務に従事。2018年よりエイチームにてPMとして新規事業の立ち上げに携わる。不動産、観光、生活関連、物流業界でインターネットを軸にビジネス開発を行った経験をもとにITによる企業改革を推進する活動に邁進する。企業への戦略コンサルティング実績多数。

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