MaaSプラットフォーム構築に向けての動き

日本版MaaSプラットフォームの出現

MaaSプラットフォームに必要な要素

MaaSとは機能として簡単に説明すると、複数の交通手段を統合する概念だ。その実現方法がICT(情報通信技術)によるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)連携であることを考えると、交通系デジタルプラットフォームの構築とも裏付けられる。つまり、API連携がMaaSプラットフォームを実現させる必要不可欠な要素であり、それを支えるのがICTなのだ。

ICTの定義

ITは「情報技術」、ICTは「情報通信技術」、IoTは「モノのインターネット」の総称で、ICTは日本ではITに比べ使用されていないが、アメリカではITよりも使われるキーワードだ。具体的にな何を指すのかイメージできる人は少数だと思われるが、API連携であればエンジニアでなくてもイメージできる。日本でもITという用語だけではモビリティのすべて語りきれなくなるので、この3つの用語を区別して使用することが望ましい。

プラットフォームの定義

プラットフォームの定義としては、さまざな技術領域やビジネス観点で述べることが可能であるが、フィンランドのMaaSグローバルが、MaaSを「交通ネットフリックス」と言っていることからも、MaaSプラットフォームはモビリティを統合し、それらの最適化によってユーザーにベネフィットを提供するものとする。

MaaSプラットフォーム構築の重要ポイント

MaaSプラットフォーム構築においては下記3点を重視する必要がある。また、MaaSの具体的なサービス像はスマートフォンのアプリケーションだけが創造されるかもしれないが、今後はそれだけに留まらない。ユーザーやモビリティをパーソナルかつ都市全体として制御するような「MaaSコントローラー」の出現も予想される。日本ではトヨタ自動車がMaaSプラットフォームをMSPFと呼び、その構築に取り組む方針だ。

コスト面の工夫=個別機能ごとに自由に改善できる
拡張性=新しい技術や機能を導入しやすい
柔軟性=多くのステークスホルダーと連携しやすい

MaaSプラットフォーム課題

MaaSアプリケーション自体が既存の交通サービスの上に存在するOTT(Over The Top)の位置づけは、さらにその上にもコントロール機能や、それらを総べるものとしが混在する可能性がある。OTTは、一般的には通信事業者以外がインターネットサービスを行うことを示すが、一般的には交通サービスをインフラストラクチャーとして、その上に統合したサービスを構築する概念として用いられる。そうなるとMaaSプラットフォームはかなり多機能かつ巨大なシステム群となり得る。また、コンテンツ、Iotでいえば「T」(Things)側である交通サービスのあり方も重要性を増してくる。これまで業界ごとに分割してサービスやシステム開発を行ってきた鉄道やバス、タクシーなど一体となって協調領域を構築し、全体としてのサービスシステムの効率性や価値を生み出していくことが課題となる。

MaaSプラットフォーム構築に向けての動き

日本におけるMaaSプラットフォーム構築の動きは、ダイナミックになりつつある。その代表的なプレイヤーはやはりトヨタだろう。トヨタはモビリティプラットフォーマーになるという経営方針のもと、車内ををサービス空間として活用する車両プラットフォームとしての「e-Pallette」の開発やモビリティサービスに必要な様々な機能を備えるプラットフォーム「MSPF」の構築に向けた動きを活性化している。車両の設計開発を行うのと同時に技術、サービスのパートナーを募ってシステムのAPIを開放することで、ハードとソフトの両面からモビリティサービスのプラットフォームを提供する仕組みを整えようとしている。

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青山 武史

略歴

1977年生まれ。1998年にJ-Groupホールディングスに入社以来、ブランドマネージャーとしてマザーズ上場に貢献後、観光業界を中心に事業再生、戦略立案、M&A戦略立案、ビジネスデューデリジェンス、新規事業開発、組織変革等の業務に従事。2012年よりJBR事業部長に就任し、マーケティング部門を統括。2018年よりエイチームにてPMとして新規事業の立ち上げに携わる。。不動産、生活関連、物流業界でインターネットを軸にビジネス開発を行った経験をもとにモビリティ革命を推進する活動に邁進する。企業への戦略コンサルティング実績多数。

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