眠れるR&D(研究開発)の技術シーズを、スタートアップ連携で「社会実装」へ。競合ファームの「閉じた知」を、GREATSの「統合されたオープンな知」が凌駕。
GREATS(グレイツ)は、日本を代表する大手製造業A社が保有する、次世代素材(以下、Materia-X)に関する「技術シーズ(R&D成果)」の「社会実装」プロジェクトにおける、戦略的パートナーに選定されました。本プロジェクトは、A社内で長年「お蔵入り」となっていた技術シーズを、GREATSの「事業・デザイン・技術 統合メソッド」と「JOIAエコシステム(ネットワーク)」を駆使して「事業化」するものです。
執筆者: 日本オープンイノベーション協会(JOIA) / GREATS編集部
記事本文
1. はじめに:日本企業に眠る「お蔵入り」という“機会損失”
1-1. 大手製造業A社が直面した「魔の川」と「死の谷」
日本の大企業、特に世界的な競争力を持つ製造業の研究開発部門には、「お蔵入り」になった「技術シーズ」が、文字通り“宝の山”として眠っています。 世界を変えるポテンシャルを持ちながら、日の目を見ない技術。 これは、日本経済全体にとって、どれほどの「機会損失」となっているだろうか。
この「機会損失」の背景にあるのが、私たちがインサイト記事(「実証実験どまり」の記事)で論じた、イノベーションの障壁「魔の川」と「死の谷」です。
- 魔の川:研究と製品開発の間。基礎研究が、市場ニーズと結びつかない障壁。
- 死の谷:製品開発と事業化の間。製品開発(実証実験)はできたが、事業として収益が上がらない障壁。
本日、GREATSがパートナーとして選定されたことを発表する大手製造業A社もまた、この「魔の川」と「死の谷」に長年苦しんできた一社です。
1-2. Materia-X:世界最高水準の“眠れる技術”
A社は、日本を代表する伝統的な製造業であり、その技術力は世界でもトップクラスです。 約5年前、A社のR&D部門は、巨額の投資の末、ある革新的な次世代素材(Materia-X)の開発に成功しました。「超軽量」「自己修復機能」「100%生分解性」という、従来の常識を覆す特性を持つ、まさに“魔法の素材”でした。
A社は、このMateria-Xで世界を変えられると信じました。 しかし、現実は厳しかった。 R&D部門はMateria-Xの技術的な実証実験には成功したものの、それを「事業」に転換する段階、すなわち「死の谷」で完全に足踏みしていました。
1-3. 課題の本質:「技術」と「事業」の致命的な「分断」
なぜ、Materia-Xは「お蔵入り」寸前だったのか。 GREATSが分析した初期課題は、私たちがインサイト記事(シュンペーターへのアンサー)で定義した、**「事業戦略」と「技術」の致命的な「分断」**でした。
A社のR&D部門は、その技術の「スペック(仕様)」を語ることはできました。 「この素材は、鉄の10倍の強度を持ち、重さは10分の1です」
しかし、A社の事業部門は、「既存事業(例:自動車部品)」の論理でしか、それを見ることができませんでした。 「素晴らしい。だが、鉄の50倍のコストがかかるこの素材を、どの顧客が買うんだ? 我々の既存チャネルでは売れない」
R&D部門は技術の「可能性」を信じ、事業部門は事業の「現実(短期ROI)」を主張する。両者の間には深い「分断」の谷があり、会話が成立していなかったのです。 Materia-Xは、「魔の川」は越えたものの、「死の谷」の底で5年間も眠り続けていたのです。
A社は、この状況を打破すべく、外部パートナーにMateria-Xの「社会実装」を委ねるという、大きな経営判断を下しました。
2. パートナー選定(RFP):なぜGREATSが「選ばれた」のか
A社は、国内外の主要なコンサルティングファーム、SIer、広告代理店に対し、提案依頼(RFP)を行いました。 「このMateria-Xを、どうすれば事業化できるか?」
この「問い」こそが、従来のパートナーの「限界」を炙り出す、最高のリトマス試験紙となりました。
2-1. 競合の提案(1):大手戦略ファームの「閉じた知」
最初に提案を行ったのは、グローバルな大手戦略ファームでした。 彼らは、その「閉じた知的資本」(社内データベースや過去事例)に基づき、分厚い「市場調査レポート」を提示しました。
- 提案内容:Materia-Xが参入可能な市場(航空宇宙、先端医療など)のグローバルな市場規模を分析する。
- A社の評価:「素晴らしい分析だ。しかし、これは『机上の空論』だ。我々には、航空宇宙や先端医療への『チャネル』も『ノウハウ』もない。レポートは分かったが、『では、明日から何をすればいいのか?』『誰と組めばいいのか?』という『実行(社会実装)』への答えがない」
彼らの「閉じた知」は、「分断」された「戦略」を描くことはできても、「社会実装」の設計図を描くことはできなかったのです。
2-2. 競合の提案(2):大手SIerの「技術偏重」
次に提案を行ったのは、A社の基幹システムも手掛ける大手SIerでした。 彼らは、A社の「技術」への深い理解に基づき、壮大な「プラットフォーム構想」を提示しました。
- 提案内容:Materia-Xのポテンシャルを「可視化」し、世界中の企業とマッチングするための「マテリアルズ・プラットフォーム」という名のシステム構築。
- A社の評価:「壮大なシステムだ。しかし、『誰が(顧客)そのプラットフォームを使うのか?』『どうやって収益を上げるのか?』という『事業』と『体験』の設計が抜け落ちている。これでは、かつての『技術オリエンテッド』の失敗を繰り返すだけだ」
彼らは「技術」の論理に偏重し、「事業」や「顧客体験」と「分断」されていました。
2-3. GREATSの提案:「社会実装アーキテクチャ」という回答
GREATSの提案は、根本的に異なっていました。 私たちは、A社の提案依頼の「問い」そのものを「再定義」することから始めました。
「A社の課題は、Materia-Xの『市場』が分からないことでも、『システム』がないことでもない。 本質的な課題は、Materia-Xの『技術的優位性』と、『社会が求める本質的なニーズ』と、『持続可能な収益モデル』の3つを『統合』する『社会実装の設計図』が存在しないことである」
私たちは、レポートやシステムではなく、**「社会実装アーキテクチャ」**そのものを提案しました。 そのアーキテクチャは、GREATS独自の「2つの知的資本」によって構成されていました。
- THE GREATS METHOD(知的資本): Materia-Xの主要成功要因(KSF)を特定し、事業・デザイン・技術を「統合」する「設計図」を描く、青山武史の「メソッド」。
- THE JOIA PLATFORM(知的資産): その「設計図」を実行するために不可欠な、競合にはアクセス不可能な「オープンな知(ネットワークと集合知)」。
A社は、競合他社が「分断」された「WHAT(何を)」を提案する中、GREATSだけが「統合」された「HOW(いかに)」と「WHO(誰と)」を提示したと評価。 GREATSは、この「社会実装」プロジェクトの戦略的パートナーとして、正式に選定されました。
3. Phase 1:GREATSメソッド(知的資本)による「分断」の「統合」
プロジェクトは、RFPの直後にキックオフされました。 私たちが最初に着手したのは、システム構築でも、市場調査でもない。 「分断」されたA社「内部」の「統合」でした。
3-1. 私たちは「何ができるか」ではなく「何を解決すべきか」から始めた
従来のパートナーは、「Materia-Xで何ができますか?(技術)」から議論を始めました。 私たちGREATSは、「Materia-Xで、社会の『どの課題』を解決すべきか?」から議論を始めました。
これは、青山武史の「知的資本(メソッド)」の根幹です。 技術は「手段」であり、「目的」ではない。「目的(=社会課題の解決)」と「手段(技術)」が「統合」されて初めて、「社会実装」のスタートラインに立てるのです。
3-2. ワークショップ:R&D部門と事業部門の“通訳”
GREATSは、A社のR&D部門と、複数の主要事業部門のキーパーソンを集めた、集中的なワークショップを設計・実行しました。 これは、A社内でMateria-Xについて、両部門が公式に「統合」された議論を持つ、初めての「場」でした。
- R&D部門の言語:「この素材の引張強度はXで、耐熱性はYだ」
- 事業部門の言語:「それは、既存製品のコストをZ%下げるのか? 顧客単価をW%上げるのか?」
両者の「言語」は「分断」されていました。 GREATS代表の青山は、このワークショップで「アーキテクト」であると同時に「翻訳者」として機能しました。
青山は、事業部へ「既存事業のKPIでこの技術を見るのはやめてください。それは『深化』の論理です」と伝え、 R&D部門へ「技術スペックを語るのをやめてください。その技術が『どのような顧客の、どのような苦痛を解決できるか』だけを語ってください」と促しました。
3-3. KSF(主要成功要因)の特定:「キラーユースケース」の導出
GREATSメソッドに基づき、ワークショップは「技術」の「可能性」と、「事業」の「現実」を「統合」していきました。 その結果、膨大にあったMateria-Xの応用先から、3つの「キラーユースケース(社会実装すべき初期市場)」が特定されました。
- 既存事業(自動車部品):これは「捨てた」。理由は、既存のサプライチェーンとコスト構造の「分断」が激しく、社内の「組織的な抵抗」が強すぎると判断したため。
- キラーユースケース1:先端医療: 主要成功要因は「超軽量」かつ「生体適合性」。コストよりも「安全性・機能性」が最優先される市場。
- キラーユースケース2:持続可能性: 主要成功要因は「100%生分解性」。「環境コスト」に対する社会の要求が最高潮に達している市場。
Phase 1の結論として、GREATSは、Materia-Xの社会実装の「目的」を、「A社の既存事業(クローズド)」から切り離し、**「先端医療」と「持続可能性」**という「オープン」な社会課題の解決に「統合」させました。
4. Phase 2:協会アセット(知的資産)による「実行」
4-1. 競合(クローズド)の限界 vs GREATS(オープン)の神髄
「キラーユースケース(目的)」は定まりました。 次の課題は、「どう実行するか(HOW)」そして「誰と実行するか(WHO)」です。
ここで、競合(大手戦略ファーム)の「閉じた知」の限界が露呈します。 もし彼らがこのプロジェクトを担当していたら、「先端医療市場のレポート」を作成し、「持続可能性パッケージのグローバル事例」を提示していただろう。すべてが「閉じた知(社内データベース)」による「机上の空論」です。
GREATSのアプローチは、その対極にあります。 「開かれた知(オープンな知的資産)」、すなわち**「JOIA(日本オープンイノベーション協会)プラットフォーム」**の活用です。
4-2. 「48時間」のアクセス:JOIAネットワークという「アンフェア・アドバンテージ」
Phase 1のワークショップが終了した直後、GREATSはJOIAアセット(ネットワーク)にアクセスしました。
課題:「Materia-X」を、「先端医療」の「社会実装」に導ける、日本で最高の「実行パートナー」は誰か?
競合コンサルが「Google検索」や「有料データベース」をスクリーニングしている間に、青山武史はJOIAの「ネットワーク(人脈)」にアクセスしました。
- Day 1(24時間後):青山は、JOIAの「アカデミア・ネットワーク」を通じて、**「京都大学 Life Sciences Lab」**の第一人者であるK教授とコンタクト。K教授はMateria-Xの技術特性を即座に理解し、「この素材は、我々が開発中の『次世代カテーテル』に最適かもしれない」という「開かれた知」を提供した。
- Day 2(48時間後):青山は、K教授からの紹介(ネットワーク)とJOIAの「スタートアップ・データベース(集合知)」を「統合」し、JOIA採択スタートアップである**「Medi-Venture Inc.」**のCEOにトップアプローチ。同社は、まさに「次世代カテーテル」の事業化を目指す、日本で最もホットなスタートアップだった。
これは、従来のRFPプロセスでは数ヶ月、大手ファームのリサーチでも数週間を要する「パートナー探索」が、わずか「48時間」で、かつ「最高品質(トップ層へのアクセス)」で完了した瞬間でした。 これこそが、GREATSが持つ「協会ネットワーク」という「アンフェア・アドバンテージ(不公平なほどの優位性)」です。
4-3. 最高のパートナーの発見:「Medi-Venture Inc.」と「京都大学 Life Sciences Lab」
A社(=“眠れる技術”を持つ既存企業)、Medi-Venture社(=“市場ニーズ”を持つスタートアップ)、京大Lab(=“学術的知見”を持つアカデミア)。 GREATSは、この「分断」されていた3者を「統合」し、Materia-Xを「先端医療カテーテル」として「社会実装」するための「エコシステム」を設計しました。
5. Phase 3:「社会実装アーキテクチャ」の設計(進行中)
しかし、私たちがインサイト記事(「アライアンス戦略」の罠)で論じたように、パートナーが見つかっただけ(=名刺交換)では、プロジェクトは「文化の衝突」で必ず失敗します。 GREATSの真の仕事は、ここからです。「社会実装アーキテクチャ」の設計です。
5-1. 「アライアンス」と「組織」の設計:”文化の衝突”を回避するJV(ジョイントベンチャー)
現在、GREATSは、A社とMedi-Venture社の「アライアンス戦略」を設計しています。 私たちは、単なる「業務提携」ではなく、「ジョイントベンチャー(JV)」の設立を提案しています。
なぜなら、A社(既存事業部門)の「重厚長大なガバナンス」と、Medi-Venture社の「アジャイルなガバナンス」は、あまりにも「分断」されているからです。 無理にA社の「既存事業部門」に接続しようとすれば、必ず「3ヶ月稟議の壁」や「組織的な抵抗」で失敗します。
GREATSは、この「分断」を回避するため、「2つの仕組み(デュアル・ガバナンス)」の理論に基づき、「JV」という「新しい仕組み」を「設計」しています。 このJVは、A社の「技術」とMedi-Venture社の「スピード」を「統合」し、既存事業部門の論理から切り離された「探索の仕組み」として機能します。
5-2. 「MVP」と「体験」の設計:”技術”ではなく”価値”を検証する
並行して、GREATSはJVが実行すべき「MVP(Minimum Viable Product)」開発のロードマップを設計しています。 ここでも「分断」の罠があります。A社のR&D部門は「Materia-Xの“技術的”優位性」を証明する実証実験を繰り返したがります。
GREATSは、そのアプローチを明確に否定しました。 「技術の証明は終わっている。今やるべきは、『医師(顧客)が熱狂し、病院(顧客)がカネを払うか』という『事業』と『体験』の検証である」
GREATSが設計するMVPは、Materia-Xの全スペックを実装した「完璧な製品」ではありません。 医療現場の「UX(体験)」を最速で検証し、事業仮説を証明するための「最小限の製品」です。
5-3. 「統合」こそが「社会実装」である
このプロジェクトは、GREATSの哲学を体現しています。
- **メソッド(知的資本)**が、「技術の分断」から「キラーユースケース(事業)」を導き出しました。
- **アセット(知的資産)**が、「閉じた知」では出会えなかった「最高のパートナー(ネットワーク)」を引き寄せました。
- アーキテクチャ設計が、「文化の衝突(組織)」を回避する「JV(組織設計)」と、「価値を検証するMVP(事業・体験・技術の統合)」という「統合」された実行プランを描きました。
これが、GREATSが提供する「社会実装」です。
6. 関係者コメント:なぜGREATSだったのか
6-1. A社 R&D部門長:K氏(想定)
「私たちは5年間、Materia-Xの“技術”の素晴らしさを社内(事業部門)に説いて回った。しかし、誰も『事業』にしてくれなかった。 GREATSの青山さんは、我々が出会ったコンサルタントの中で、唯一、我々の『技術』の言語を理解し、かつ、それを『事業』の言語に『翻訳』してくれたアーキテクトだ。 何より衝撃だったのは、RFPの最終選考の場で、彼らが『もし我々を選んでくれるなら、48時間以内に日本最高のパートナー(京大とMedi-Venture)を連れてくる』と断言したことだ。競合が『市場調査に3ヶ月』と言う中で。 彼らが持つ『JOIA(協会)ネットワーク』という資産は、我々R&D部門が最も欲しかった『開かれた知』そのものだった」
6-2. Medi-Venture Inc. CEO:Y氏(想定)
「正直、A社のような『巨人』との提携は、過去に何度も失敗(実証実験ツアー)しかけており、最初は懐疑的だった。 しかし、GREATSが設計した『JVスキーム(組織)』を見て、彼らが『本気』だと分かった。彼らは、我々スタートアップの『スピード』と、A社の『アセット(技術)』を『統合』するための、極めてクレバーな『ガバナンス(仕組み)』を設計してくれた。 A社と我々の間にGREATSという『翻訳者(組織)』がいなければ、この提携は『文化の衝突』で1ヶ月も持たずに破談していただろう。彼らは、我々にとっても『アーキテクト』だ」
6-3. GREATS代表・青山武史
「本プロジェクトは、GREATSの存在意義を証明する、まさに象徴的な案件である。 A社が抱えていたMateria-Xという“眠れる技術”は、日本企業が抱える「機会損失」そのものだ。
我々は、この「技術と事業の分断」を解決するために、 第一に、**THE GREATS METHOD(知的資本)**を用い、進むべき道(キラーユースケース)を定義した。 第二に、**THE JOIA PLATFORM(知的資産)**を用い、最高のパートナー(ネットワーク)を引き寄せた。
『メソッド(知的資本)』と『アセット(知的資産)』の『統合』。 これこそが、競合大手ファームの『閉じた知』『分断された組織』では決して実行不可能な、GREATSの『アンフェア・アドバンテージ』である。
我々はコンサルタントではない。 我々は、クライアントの『分断』を『統合』し、イノベーションを『社会実装』するアーキテクトである」
7. 結論:あなたの会社の「技術シーズ」を、「社会実装」へ
A社のMateria-Xの「社会実装」プロジェクトは、今、Phase 3(JV設立とMVP開発)へと進んでいる。 これは、A社一社の成功に留まらない。日本企業が「技術の分断」を乗り越え、「死の谷」を越えるための、新しい「型(メソッド)」の誕生である。
あなたの会社にも、A社のように「お蔵入り」になった、世界を変えるポテンシャルを秘めた「技術シーズ」が眠っていないだろうか。 その「分断」を「統合」し、「社会実装」へと導くアーキテクトを求めているなら、ぜひGREATSにコンタクトしてほしい。